全ての女性が経験する「更年期」は、いつから始まるのだろうか。
更年期は女性の体特有の仕組みによって引き起こされるため、全ての女性が避けては通れない期間です。
予め更年期がいつから始まるのか、具体的にどのような症状があるのか、原因は何が挙げられるのかを知っておくことで、更年期に対して備えることができます。
この記事が更年期に対する備えのための知識に役立つことができれば幸いです。
女性の更年期はいつから始まるの
更年期が始まる平均は45歳
女性の更年期は、平均で45歳から始まります。
更年期は、閉経した時点から前後5年間の計10年間と言われています。
更年期の正確な時期は人によって様々ですが、日本人女性の平均閉経年齢が50歳とされているため、日本人女性が迎える更年期の平均期間は45歳から55歳の10年間であると言えます。
そのため、女性の更年期は45歳から始まると考えられます。
閉経とは
閉経とは、女性の生殖能力が低下することで月経が完全に止まってしまう状態のことを指します。
閉経は、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が減少することによって引き起こされます。
女性ホルモンの分泌が減少する理由は、ストレスや生活習慣が挙げられますが、一番大きな理由は年齢による卵巣の機能低下です。この閉経前後の5年間はホルモンバランスが崩れることによって様々な症状が引き起こされます。
症状については後ほど解説していきます。
ただし更年期が始まる時期は個人差がある
更年期が始まる時期の閉経年齢が45歳であると説明しましたが、これは日本人女性の閉経の平均年齢が50歳であるというところから出した数字であり、あくまで目安です。
閉経の時期は人によって様々のため、更年期が始まる時期も一概に全員が一緒とは言い切れません。30歳後半で始まる人もいれば、50歳で始まる人もいます。
あくまで目安と考えておきましょう。
更年期はなぜ起こる？
更年期は女性ホルモンが原因
更年期は、女性ホルモンの分泌量が減少することによって引き起こされます。
更年期は、閉経から前後5年間の10年間の期間のことを指します。閉経は女性ホルモンの分泌量減少によって起こるため、更年期の原因は女性ホルモンの減少であると考えることができます。
また、更年期に付随する様々な悩みに悩んでおり、日中の活動に支障をきたす状態のことを「更年期障害」といいます。
自律神経の乱れによって悪化する場合も
更年期による悩みが悪化する原因として、自律神経の乱れが挙げられます。
更年期が起こる原因は女性ホルモンの減少ですが、女性ホルモンが減少することによって自律神経の乱れが起こります。
自律神経が乱れることによって、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、ほてりや発汗、睡眠に関する不調などが引き起こされ、日常生活に支障をきたします。
更年期の症状緩和のためには、加齢による女性ホルモンの減少はある程度避けられない部分があるため、自律神経のバランスを整えることが重要になってきます。
ストレスが自律神経を崩す
自律神経の乱れは日常的に感じるストレスによっても引き起こされます。
自律神経は交感神経と副交感神経で構成されています。本来であれば、交感神経と副交感神経が交互にバランスよく優位になることが望ましいです。
しかしストレスを感じるとヒトの体内では交感神経が優位になります。これが続くと副交感神経が優位になることが望ましい夜間でも交感神経が優位になり、体内で緊張状態が続きます。
緊張した状態が続くことによって精神に負担がかかり、自律神経が乱れてしまいます。
自律神経が乱れることによって症状が悪化する場合があるため、日中に感じるストレスには注意が必要です。
更年期に感じる症状
肩こりや発汗などの身体的症状
更年期の症状にはまず、肩こりや発汗などの身体的症状が挙げられます。
女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが崩れ、それらが人の体内に存在する体内の調節機能に影響を及ぼします。
それによって、肩こりや腰痛、頭痛や発汗などが引き起こされます。 具体的な症状としては、以下のような症状が挙げられます。
- 肩こり
- 発汗
- 腰痛
- 頭痛
- めまい
- ホットフラッシュ など
更年期は精神状態にも影響を与えます。 確認していきましょう。
不安感などを感じる心理的症状
更年期における症状は、身体的なものだけでなく心理的なものも存在します。
自律神経の乱れは、身体機能の調節に影響を与えるだけでなく、感情や精神をコントロールする機能にも得強を与えます。
そのため更年期では不安を感じやすくなったり、感情を抑制できず些細なことにイライラしてしまう、といった症状が現れる場合があります。
更年期に見られる心理的な症状としては、不安感やイライラはもちろんのこと、倦怠感や集中力・注意力の低下が見られます。
これらの症状は人間関係や仕事の質に影響を与える可能性があるため、より一層注意が必要な症状であると考えられます。
身体的症状も含めて、更年期に悩む症状は人によって様々です。45歳から55歳、またはその付近の年齢の女性で、何かしらの身体的・精神的な悩みを抱えている方は更年期の可能性があります。
更年期の症状についてもっと詳しく知りたい方は以下のリンクをクリックしてみてください。
更年期の症状を和らげる方法とは
医療機関での受診によって適切な診断を
更年期による症状には個人差があるため、それぞれの悩みに適した治療を行うことが重要です。
症状の緩和を効率的に目指す場合、専門の医療機関での診断と治療が推奨されます。
治療法の一つとして、ホルモン補充療法(HRT)が挙げられます。この方法は、更年期に分泌量が減少する女性ホルモンを、外部から補充することを目的としています。
摂取方法としては、口から摂取する方法(経口剤)や、皮膚に塗ったり貼ったりする方法(経皮吸収)などが挙げられます。
治療においては、悩んでいる内容や程度を正確に医師に伝え、カウンセリングを通して適切な治療法を選ぶことが重要になります。
漢方薬とサプリメントによる自然な緩和
更年期の症状を自然に緩和する方法として、漢方薬やサプリメントの利用が広く推奨されています。
この方法は比較的継続しやすく、摂取する成分や漢方の種類によって体の内側から症状を緩和する効果が期待できるため、まず取り組んでみる方法として一般化してきています。
特に推奨したい成分が、「NMN」という成分です。NMNは自律神経の中枢の一つである脳幹に直接作用するため、根本から自律神経を整える効果が期待できます。更年期に悩む症状を緩和する効果が期待されています。
この成分は非常に高価で希少成分と言われていますが、その役割は様々な研究やテレビによって取り上げられています。 更年期に効果が期待されているNMNについて更に詳しく知りたい方は、下の記事をクリックしてみてください。
運動と食事：体調管理における基本
更年期による症状の本質的な改善を目指すのであれば、運動や食事などの生活習慣を整えることは必要になります。
運動に関しては、適度な運動を習慣的に行うことが重要です。ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、体に負荷をかけ過ぎない活動が理想的です。
これらの運動はストレスの軽減に繋がり、更年期の症状緩和に繋がります。もちろん適度な運動は、心身の健康にも繋がります。
食事面では、バランスの取れた栄養摂取が重要です。偏った食事はそれだけで体の調節機能に悪影響を与え、神経系の乱れに繋がります。食事で内側から健康を保つことが求められます。
特に大豆製品に含まれている大豆イソフラボンという成分は、更年期に減少するエストロゲンという女性ホルモンに構造が似ているという特徴を持ちます。大豆イソフラボンの摂取は不足したエストロゲンを補うことに繋がるため、症状の緩和が見込めます。
更年期の症状緩和には、サプリメントやホルモン補充療法はおすすめですが、根本的な改善には生活習慣を見直すことが必須になります。
少しずつ、できるところから意識していきましょう。
おわりに
更年期が平均して45歳から始まること、そして更年期は加齢による女性ホルモンの分泌量が減少することによって引き起こされること、更年期の様々な症状についてご理解いただけたでしょうか。
更年期は全ての女性が経験する期間であり、悩む内容も人によって様々です。
更年期がいつから始まるのかを把握しておき、症状の緩和・治療に向けて考えられる方法を知っておくことで、効果的に対策をすることができます。
この記事が、更年期に対する理解のために役立てられれば幸いです。
