CBGという成分を知っていますか。
CBGは、リラックス効果をもたらす成分とされ、人が悩む「睡眠」や「ストレス」の緩和への期待がされている、現在SNSなどで注目が高まっている成分です。
しかしCBGは麻由来の成分ということもあり、何か危なかったり、怖いという印象を持っている方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、CBGの基本情報や期待されている効果、他のカンナビノイドとの違いについても解説していきます。
CBGの基礎知識について解説
CBGとは植物性カンナビノイドの一種
CBGとは、正式名称がCannabigerol(カンナビゲロール)といい、大麻草に含まれるカンナビノイドの一種です。
正確には3種類に分けることができるカンナビノイドのうちの、「植物性カンナビノイド」に属します。
植物性カンナビノイドって?
植物性カンナビノイドとは、大麻草に含まれる、微量でも体内で重要な役割を果たす化学物質のことを指します。
本来体内では内因性カンナビノイドと呼ばれるカンナビノイドが生成され、身体の機能が調節されていますが、加齢やストレスによってその生成量は減少します。
その不足分を補うことができるのが植物性カンナビノイドでありCBGです。
もっと詳しくカンナビノイドについて知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
CBGの作用と効能―効果についての基礎知識
一般的にCBGを摂取することによって期待されている効果としては、
- 睡眠サポート
- リラックス効果
- 抗炎症作用
- 抗不安作用
- 抗うつ作用
- 鎮静効果
などが挙げられます。
2021年に発表された論文では、CBGが悪性の脳腫瘍の一つである神経膠腫の進行に関連する特徴を効果的に阻害し、THCと同等の殺傷効果を示し、さらに膠芽腫細胞が侵されることを阻害することを実際に発見されたとされている。 参考:Cannabigerol Is a Potential Therapeutic Agent in a Novel Combined Therapy for Glioblastoma(2021)より
また、2014年に発表された論文では、CBGは結腸癌の進行を阻害し、大腸がん細胞であるCRC細胞の増殖を阻害することが報告され、結果としてCBGは大腸がんの予防と治療において、考慮されるべきであるとされている。 参考:Colon carcinogenesis is inhibited by the TRPM8 antagonist cannabigerol, a Cannabis-derived non-psychotropic cannabinoid(2014)より
CBGの安全性とは?
結論、2024年8月時点日本においてCBGは規制がされておらず、合法となっています。
また、副作用についても、摂取した時に「ハイ」になるようなことはありません。
ただ、過剰摂取には注意が必要です。
規制はされていませんが、元来麻由来の成分のため、過剰摂取によって思わぬ副作用が出てしまう可能性もあります。
CBG製品を利用する際は、記載されている目安量を必ず守るようにしましょう。
CBGと他のカンナビノイドの違いとは?
カンナビノイドは非常に多くの種類が存在し、中には違法のものも存在します。
CBGと他の代表的なカンナビノイドの違いについて解説していきます。
CBGとTHCの違い
THCはテトラヒドロカンナビノールといい、その強い依存性や副作用から違法とされています。
THCは麻薬及び向精神薬取締法によって麻薬の一つとして位置づけされており、THCを含む製品の製造や購入、販売や所持、使用は禁止されています。
CBGとTHCの違いは、副作用の強さです。
CBGは研究が進んでいるわけではありませんが、THCは国によって禁止されている成分です。
CBGとCBDの違い
CBDとは、正式名称がカンナビジオールといい、CBGと同様、植物性カンナビノイドの一種です。
このCBDは厚生労働省によって合法であるという旨が伝えられています。
効果についてはさほど大差はなく、睡眠やストレスに対する効果が報告されています。
ただCBDよりもCBGの方が精製するためにコストが掛かるため、商品においてもCBD製品よりCBG製品の方が高額になる傾向があります。
CBGとCBNの違い
CBNは正式名称がカンナビノールと言い、THCが酸化することによって分解され、生成されます。
CBNは睡眠に対する効果が大きく期待されているカンナビノイドであり、「睡眠カンナビノイド」とも呼ばれています。
CBNもCBD・CBG同様、日本において違法ではなく、その用途用量を適切に守って利用することができます。
CBGは抗炎症に対して、CBNは睡眠に対して効果を発揮することが期待されている点が、大きく異なる点と言えます。
カンナビノイド受容体におけるTHC・CBD・CBGの違い
3つの成分は、カンナビノイドを受け取る「カンナビノイド受容体」に対する働きも異なります。
CB1受容体とは、主に脳の中枢神経系に多く存在しており、食欲や痛み、感情の調節に大きく関わっています。
CB2受容体とは、体内のいたるところに存在し、主に免疫や炎症に関わっています。
CBR55(CB3とも呼ばれる)とは、脾臓や小腸、脳などに多く分布しており、神経伝達や免疫応答、骨代謝、がんの発達に関与している受容体です。
アゴニストとアンタゴニストを簡単に解説
アゴニストとは、受容体に結合することで、その情報を細胞の内部に伝達する物質のことを指し、特定の働きを引き起こす「作動薬」とも呼ばれます。
何かしらの特定の働きを引き起こしたいときに用いられる物質です。例としては炎症を抑えたいときに、体の抗炎症効果を引き起こす薬などを指します。
アンタゴニストとは、アゴニストの反対で、受容体には結合するが、細胞の内部に情報を伝えない物質のことを指し、特定の働きを阻害する「阻害薬」とも言われています。
何かしら特定の体内の働きを抑制したいときに用いられる物質です。例としては、アドレナリンがこれ以上出ないように、アドレナリンの分泌を抑制する薬などが当てはまります。
参考:ヘルシーパス「アゴニストとアンタゴニストって何?」より
表から解説!THC・CBD・CBGと受容体の作用の違い
THCはCB1、CB2、GPR55においてアゴニストとなります。そのため、全ての受容体に対して働きを引き出す役割であると言えます。
CBDはCB1、CB2、GPR55において逆アゴニストもしくはアンタゴニストとなります。そのため、全ての受容体に対して働きを抑制するような役割であると言えます。
CBGはCB1、CB2においてアゴニストとなります。そのため、働きはTHCと類似しており、働きを引き起こすような役割であると言えます。
CBGを摂取する方法とは?
CBGは近年注目が集まっている成分ということもあり、様々な形態で販売がされています。
- オイル
- 食品
- べイプ
- サプリメント
以上のような形態で販売されているのが主です。
もし摂取を検討するのであれば、以下を参考に自身のライフスタイルに合った摂取方法を選んでください。
オイルによる摂取
まず挙げられるのが「オイル」形式です。
オイルとして摂取するメリットは、摂取が簡単であり、専用の容器で適量を図れるため、適量を摂取することができます。
しかしデメリットとして味が苦手な場合や、吸収速度が遅く、即効性が無いことが挙げられます。
値段帯としては、安くて3,000円から高いものは1万円程度のものがあります。 ※価格は内容量や濃度によって異なります。
食品による摂取
CBGが含まれた食品も販売されています。
主な食品は、クッキーやグミといったお菓子などが多いです。
メリットとしては、美味しく摂取できる点や、摂取方法が多様で飽きずに継続できます。
しかし効果が現れるまでに時間が掛かり、摂取量の調整も難しい点が挙げられます。
価格は、高くて6,000円程度、安いものは1,000円を切るため比較的安価で試すことができます。 ※価格と安全性や効果は必ずしも比例するものではありません。
べイプによる摂取
吸入(べイプ)による摂取方法も挙げられます。
メリットとして吸収が速いため、効果が即効である傾向があります。
しかし肺への悪影響が懸念点として挙げられるため、注意が必要です。
価格帯としては4,000円程度から9,000円程度が相場と言えます。
サプリメントによる摂取
サプリメントによる摂取も主流になりつつあります。
サプリメントは味やにおいを気にせず摂取することができ、持ち運びが便利で外出した場合でも、手軽に摂取することができます。
しかし即効性は期待できないため、継続して利用していただく必要があります。
価格帯としてはピンキリであり、配合されているCBGの量や同時に配合されている他のカンナビノイドの量によって数千円から数万円の商品もあります。
安全性や内容量をしっかりと確認した上で、購入をするようにしましょう。
おわりに
今回は、CBG(カンナビゲロール)の基本情報や効果効能、他のカンナビノイドの違いについて解説しました。
CBGは規制対象として指定されている成分ではなく、期待されている効果から近年注目度が上がっている成分です。
摂取を検討する際は、今回紹介した摂取方法を参考に、自身のライフスタイルなどを考慮した上で検討していただきたいです。