寝たいのに眠れない 寝たのに夜中に起きてしまう
など、睡眠の悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。 あるいは、
寝る時間が勿体ない
と言って、睡眠を軽視している方はいないでしょうか。今は悩みが小さかったり、問題ないかもしれませんが、その状態が続くといつか限界が来てしまう可能性があります。
今回の記事では、睡眠の役割や睡眠の質に悩む原因、睡眠の質を上げる方法など、睡眠に関する情報を余すことなく伝えていきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
睡眠の基本情報を解説
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠中は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つの段階が交互に繰り返されます。レム睡眠では、脳が活発に動いており、主に記憶の整理や定着が行われています。ノンレム睡眠では、疲労回復や記憶の削除を削除が行われています。
夢を見ている時間は、レム睡眠の段階です。夢を見ているときは脳が深い眠りについていないということなので、夢を見る時間が長い人は、深い睡眠を取れていないかもしれません。
眠りはまず日中の活動によって蓄積された疲労の回復のために、ノンレム睡眠から入ります。徐々に眠りの深度が浅くなり、眠り始めておよそ60分でレム睡眠に入ります。そこから約30分ほど記憶の定着を行い、再度ノンレム睡眠に切り替わります。睡眠時間にもよりますが、一度の睡眠で3回から5回繰り返されます。
意外と知らない睡眠時の体内の動き
私たち人間は、眠いから寝よう、といったようにただ単に「寝る」という活動を行っているように思いますが、時間経過と睡眠に合わせて体内では様々な調節が行われています。ここで重要になるのが「ホルモン」と「脳の温度」です。
下の図を元に解説していきます。
引用サイト:厚生労働省 「e-ヘルスネット」より
睡眠の役割とは?
学習と記憶の整理をサポートする
睡眠は日中に脳が受け取った膨大な情報を整理し、記憶として定着させる重要な役割を果たしています。記憶の整理の観点において、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の働きは欠かせません。
ノンレム睡眠時は比較的眠りが深い段階であり、感情などが大きく揺さぶられた記憶の処理が行われているとされています。辛い記憶が時間の経過と共に減っていくのは、このノンレム睡眠が働いているということです。
一方レム睡眠では、比較的睡眠の質は浅く、脳の活動が活発化しています。この段階では、記憶の整理や定着が行われています。記憶の整理や定着が行われているということは、記憶を忘れにくくするということのため、新しい情報やスキルの習得など、学習面において特に重要です。
十分な睡眠時間を確保することでこの二つのサイクルが働き、記憶の整理が適切に行われます。「記憶能力を維持し、毎日の効率を上げるためには、これらのサイクルを意識することが重要です。
疲労回復に睡眠は必須
睡眠は、心身の疲労回復の役割も担っています。
人の体は日中の活動により筋肉や神経細胞を消耗し、疲労が溜まっていきます。この状態を放置することによって集中力や判断力の低下に繋がり、日常生活の様々な面で支障をきたします。疲労は、ノンレム睡眠時に成長ホルモンが分泌されることによって細胞の修復や再生が行われ、解消していきます。
また、日中に脳を使うことでその過程で脳にとって良くない老廃物が蓄積していきます。睡眠は脳内の老廃物を洗い流す働きもあり、この働きをグリンパティックシステムといいます。
脳が夜の睡眠時に、心身の疲労回復や日中の活動によって脳内に蓄積した老廃物を流すため、睡眠をしっかりとることはとても重要になります。
日中の集中力を高める
日中眠くて集中できないなんてことはありませんか。「日中の集中力を高める」という役割は、前述した「記憶の整理」や「疲労回復」にも関わってきます。
十分な睡眠時間を確保することで記憶の整理を行い、脳が余計な働きをすることを抑制し、疲労回復の役割を担うことで、毎日疲労感を感じることなく、仕事や学習に集中することができます。
仕事や資格の取得のために睡眠時間を削って作業や学習をするという方はいると思いますが、もしかしたらそれはむしろ記憶の定着や効率を上げるという観点から見ると悪影響かもしれません。
十分な睡眠時間は、毎日の効率や集中力の上昇に繋がります。
「なぜか夜眠れない」その原因を解説
眠れない原因はとても単純
「夜になぜか眠れない」 そんな経験はないでしょうか。
眠れない原因は意外と単純です。 その原因について解説していきます。
ワクワクや興奮
眠れない原因の一つに「ワクワクや興奮」が挙げられます。この感情というのは、心地よい期待感や前向きな緊張感から生まれ、何か未来に起こる出来事への期待感などから生まれます。
翌日の出来事が楽しみ過ぎて中々眠れないという経験は誰しもがあるかもしれません。
この感情自体はポジティブな興奮で、心理的な喜びを伴いますが、体内では交感神経を優位にするため、心拍数などを上昇させ覚醒作用を促し、睡眠へのスムーズな移行が困難になってしまいます。
また、日中の興奮が交感神経を優位にさせ、それが余韻として夜まで続くことで眠れないという可能性もあります。
眠れない一番の原因はストレス
眠れない原因は様々ですが、中でもストレスは最も一般的な原因の一つとされています。現代社会においては、仕事や家庭、人間関係や健康面など、ストレスを感じる要因が無数に存在します。
ストレスを感じると、人はそのストレスに抗うか逃げるように行動をするかの反応を示し、交感神経が活性化されます。交感神経が活性化されることで体が覚醒状態に入ります。
ストレスを感じる場面が多く、交感神経が活性化され続けると、リラックスを促す副交感神経の活動が抑制されます。そうすると、神経のバランスが崩れ、リラックスして眠りにつくことが困難になります。
長期的なストレスは、ストレスを緩和するホルモンである「コルチゾール」の反応を鈍らせ、体内でのストレスの緩和メカニズムが正常に動かなくなってしまいます。趣味や運動によってストレスをため込まないライフスタイルを確立することが重要です。
眠れない原因は病気の可能性も
一晩中眠りにつけない場合、もしかすると病気が潜んでいる可能性があります。眠れない原因は日常生活の場合もありますが、ある病気の症状の一種の場合であることもあります。
一つの可能性として挙げられる病気は、うつ病や不安障害をはじめとする精神に関連する問題が挙げられます。これらの状態というのは、絶望や悲しみといった負の感情をもたらし、それが悔過として睡眠を妨げる要因となります。
眠れない状態が長く続き、日常生活において支障をきたす場合は、医師などの専門家に相談することが重要です。適切な診断と治療を受けることで原因の解明に努め、改善が期待できます。睡眠は生活の質を左右するため、適切なケアが必要になります。
眠れない原因をもっと詳しく知りたい方は下の記事をチェックしてみてください。
睡眠不足に悩む方へ
不眠症とは
不眠症とは、夜間で満足できる睡眠が得られず、日中の活動に影響を及ぼす状態のことを指します。
不眠症の原因は多岐にわたり、ストレスや不安、病気が原因である可能性が高いですが、生活習慣や服用している薬によっても引き起こされる可能性があります。
不眠症には大きく分けて3種類あります。それぞれを簡単に解説していきます。
布団に入っても中々眠れない「入眠障害」
入眠障害とは、寝ようと思って布団やベットに入っても、中々睡眠に入れない状態のことを指します。
中々眠れず、気づいたら布団に入った時間から1時間経っていた。そのような経験は無いでしょうか。その状態は入眠障害という不眠症の一種に該当する可能性が高いです。
寝ている途中で起きてしまいその後眠れない「中途覚醒」
途中覚醒とは、眠っている途中に目が覚めてしまい、その後寝たいのに眠れない状態のことを指します。
この症状は年齢に比例して眠れない時間が伸びていくことが、研究の結果で分かっています。
3種類の不眠症の中で、中途覚醒に悩む人が一番多いとされています。
起きたい時間よりも早く起きてしまう「早期覚醒」
早期覚醒とは、自身が想定している起きたい時間よりもとても早く起きてしまい、その後眠れなくなってしまう状態のことを指します。
早期覚醒の基準は明確ではありませんが、早く起きてしまうことによって、日中の集中力が欠けていたり、眠くなってしまうなど、師匠をきたす場合は、早期覚醒に該当すると考えてください。
不眠症の症状を解説
では不眠症の症状とはどのような症状を指すのでしょうか。
具体的な不眠症であるときに、どのような症状が引き起こされるのか解説していきます。
睡眠不足による頭痛
質の良い睡眠は、健康を維持するためには必須であり、睡眠不足は頭痛だけでなく、集中力低下や記憶力の低下なども引き起こします。
睡眠不足によって引き起こされる頭痛は、目覚めた時から感じる場合が多く、一日中続く場合もあります。これは睡眠時の血管系の調節不全やホルモンバランスの乱れ、脱水症状など、様々な要因によって引き起こされるとされています。
日々の頭痛に悩む方は、睡眠時間が不十分である可能性があり、十分な睡眠時間の確保と睡眠の質を高める方法の実践が、頭痛の改善において重要になります。
睡眠不足による吐き気
睡眠不足による吐き気は、長期的な睡眠不足によってより症状が顕著になることがあります。これは、身体機能の回復に十分な休息が得られていないことによって、機能が正常に働かなくなることが原因です。
睡眠は、体の休息・回復のためにとても重要な時間です。睡眠時には、消化システムや内分泌システムなどの重要な機能の再生を行います。
睡眠不足によってこれらの重要なシステムの再生が阻害されると、消化不良や胃の不快感に繋がり、吐き気を引き起こすことがあります。
睡眠不足によるめまい
睡眠不足が引き起こす身体的な症状の一つに「めまい」があります。めまいは、バランスを失う感覚、ふらつきなどが日常生活で表れることがあり、日中の活動に支障をきたすこともあります。
睡眠不足によって体の回復が十分に行われておらず、酸素が頭に正常に回らないことで血の気が引くようなめまいが引き起こされたり、自律神経の乱れによって平衡感覚を失って引き起こされるめまいなどがあります。
日常から立ち眩みやふらっとするめまいなどがある方は、睡眠不足の可能性があるため、睡眠の質が上がる方法を試すことや、専門家に相談することをおすすめします。
簡単に睡眠の質を上げる方法とは?
ここまでは、眠れない原因や不眠症とは、不眠症の具体的な症状について解説してきました。
やはり睡眠不足に伴う症状は、日々の仕事や生活に支障をきたすことが多く、悩んでいる方の多くが解消したいと感じているはずです。
ここでは日中の集中力や悩む症状の緩和のために、睡眠の質を上げる方法をいくつか紹介していきます。
睡眠の質を上げるための生活習慣
まず、睡眠の質を向上させるためには、日常の生活習慣がとても重要です。
規則正しい生活リズムを常に心がけ、毎日同じくらいの時間に寝て起きることが重要です。そうすることによって体内時計が整い、質の良い睡眠に繋がります。
また、睡眠の時間と同じくらい重要なのが、「寝室の環境」です。睡眠時の理想の室温は20度から26度とされており、これより温度が高かったり低かったりすると、眠りにつけなくなったり、途中で寝苦しくなることがあります。
寝る前の自分なりの「リラックスできるルーティン」も効果的です。入浴やストレッチ、読書をすることでリラックスすることができ、スムーズな入眠に繋がります。
いくら薬などの改善方法を試したとしても、生活習慣を見直して改善しない限りは睡眠の質低下の根本的な改善には繋がりません。まずは自身の生活習慣を見直し、改善できる部分から変えていきましょう。
睡眠にをサポートするサプリ
近年ではサプリメントの研究が進み、様々な悩みを軽減するような成分を配合したサプリメントが登場しています。
今回紹介するのはCBDという成分です。CBDは加齢によって不足した体内の成分を補うことができ、それによって加齢によって引き起こされる様々な症状の改善効果が研究によって分かっています。
CBDにはリラックス効果もあり、睡眠の質が向上することも実験によって証明されています。 更に詳しいCBDの情報を知りたい方は以下の記事を見てみてください。
研究が進むのと同時に、品質が悪い成分を配合したサプリメントも多く市場に出回ってしまっています。サプリメントを購入する際には、その成分に関する知識を身につけた上で購入するようにしましょう。
睡眠を助ける音楽も
睡眠の質を上げる方法として、音楽は非常に簡単に取り入れることができる効果的な手段の一つです。
穏やかな曲調でゆっくりとしたテンポの曲は、ココロを落ち着け、睡眠の質を向上するのを助けます。特に木が揺れる音や波の音などの自然の音は深いリラクゼーションを促し、深い睡眠を助けます。
また、音楽はストレスを軽減することも分かっています。アップテンポであっても自分の好みの曲を聞くことでストレスを緩和し、不眠症の原因である自律神経のバランスが崩れるのを防ぐことができます。
日中は自分の好きな曲を聞いてストレスを緩和し、夜の寝る前はリラックスできる音を聞くことで、睡眠の質を上げることが期待できます。
睡眠をアプリで改善
睡眠の質を向上させる手段として最近注目を集めているのが、睡眠をサポートする「アプリ」です。
アプリによってサポートする睡眠段階は異なります。入眠をサポートするために、入眠に適した音を流してくれるアプリや、睡眠の深さ、いびきを計測してくれるアプリもあります。
自分が何を改善したいかによって使用するアプリは異なるため、一度アプリストアで見てみてはいかがでしょうか。
睡眠の質を上げる方法をもっと詳しく知りたい方は、下の記事をチェックしてみてください!
おわりに
睡眠に関する問題を解決するためには、改善方法を知るだけでなく、睡眠のメカニズムや具体的な症状、その症状の原因を知ることが重要になります。
それらの情報を知ったうえで、自分のライフスタイルに合った改善方法を取り入れることで負担を感じることなく症状の改善効果が見込めます。
まずはできることから始めてみましょう。