THCPOは優れた効果が報告されていますが、それらの効果について理解をしていますでしょうか。
THCPOの効果は複数存在し、それらについて正しい知識を身につけることが大切です。
今回の記事ではTHCPOの効果について、基本的な情報や危険性、違法性等を交えて解説していきます。
THCPOの効果とは?利用に期待される側面

THCPOの鎮痛作用
THCPOは、鎮痛作用が期待されるカンナビノイドの一種です。
体内に取り込まれることで神経の伝達を調整するシステムに影響を及ぼし、痛覚の伝達を抑制する可能性が示唆されています。
そのため、神経痛や慢性的な関節痛、筋肉痛などの緩和に有効である可能性が報告されています。
THCPOの抗炎症作用
THCPOの効果として抗炎症作用も報告されています。
カンナビノイドはCB2受容体と呼ばれる受容体を介して免疫機能の過剰反応や炎症を抑制する可能性があると考えられています。
THCPOはその受容体に働きかけ、強力な抗炎症作用を発揮する可能性があります。
ただその効果が強すぎる分、精神活性作用や依存のリスクなども懸念されているため、注意が必要です。
THCPOの陶酔感
THCPOは陶酔感と呼ばれる、「ハイになる状態」を引き起こすとされています。
ストレス軽減やリラックス効果などであれば精神の負担軽減に繋がりますが、陶酔感やキマる作用には大きな危険が伴います。
この陶酔感が強い依存性や集中力の著しい低下などに繋がるため、陶酔感が報告されているカンナビノイドの摂取は避けることをおすすめします。
THCやTHCH、THCVと比較した効果の特徴
THCPOの効果に関しては簡単に解説してきましたが、他のカンナビノイドとの効果の違いも把握しておくことをおすすめします。
他のカンナビノイドと比べてTHCPOはどれほど危険なのか、どれほど効果が強いのかを把握しておくことにより、正しい判断が可能になります。
THCとTHCPOの効果の比較
THCとTHCPOはどちらも強い精神活性作用(依存性など)を持つカンナビノイドです。
基本的な効果や副作用に関しては大きな差は存在しなく、THCも鎮痛作用や抗炎症作用を持つとされています。
ただTHCPOはTHCよりも脳内の受容体に強く結合するため、THCよりも強い作用を発揮する可能性が示唆されています。
THCHとTHCPOの効果の比較
THCHとTHCPOはどちらもTHCを基にして製造されたカンナビノイドであり、THCよりも強い精神活性作用を持つ点で共通しています。
THCHとTHCPOの効果には、THCと同様大きな違いはありませんが、その作用の流れが異なります。
THCPOは比較的体内での代謝が遅いため、効果が表れるのが遅いながら、持続時間が長いことが特徴とされています。
しかしどちらのカンナビノイドも依存性や副作用に関するリスクが高いと考えられているため、注意が必要です。
THCVとTHCPOの効果の比較
THCVとTHCPOは作用の方向が大きく異なるカンナビノイドです。
THCPOは受容体に強く結合することにより陶酔感を引き起こすのに対して、THCVは精神活性作用が弱いことが報告されています。
THCVは特に食欲抑制の作用が報告されており、食欲増進効果のあるTHCPOとは対照的と言えます。
そのためTHCVは体重管理や糖尿病の予防といった健康目的での研究が進められています。
THCPOの効果についてはまだまだ研究中
THCPOの効果に関しては、鎮静効果、抗炎症作用、陶酔感の3つほど紹介しましたが、その効果や安全性についての研究はまだ十分ではありません。
これまではTHCやCBD、CBGなどの成分が比較的詳しく調査されてきましたが、THCPOの化学的データに関しては限られているのがられているのが現状です。
有効な効果は報告されているものの、同時に副作用や依存のリスクも大きく懸念されています。
THCPOとは何か?基本情報とその成分について

THCPOの概要と由来
THCPOとは、THCPと呼ばれるカンナビノイドをアセチル化することで製造される合成カンナビノイドの一種のことを指します。
THCPOの正式名称はテトラヒドロカンナビフォロールアセテートといい、THCPというカンナビノイドをアセチル化したカンナビノイドのことです。
アセチル化することでより効果が強くなり、THCPよりも優れた効果を発揮するようになります。
体内ではどのように代謝される?
THCPOは体内に摂取されると、主に肝臓にて代謝されます。
肝臓の酵素によって代謝され、特定の代謝変化物に変換されます。この代謝物が脳内の受容体と結びつくことで、様々な効果を引き起こします。
THCPOは他のカンナビノイドと比較して体内に長く留まりやすい可能性があり、作用の持続時間が長くなることが予想されます。
効果だけでなく思考力低下といった副作用の持続時間も長くなることが予想されるため、摂取は大変危険です。
THCPOは合成によって製造されます
THCPOは、天然のカンナビノイドではなく、化学的に加工されて製造された合成カンナビノイドの一種です。
合成カンナビノイドは天然のカンナビノイドとは異なり、体内での影響が完全に明らかになっていないため、安全性に関して慎重に評価する必要があります。
ほとんどの合成カンナビノイドは指定薬物として日本国内における所持や使用等が禁止されているため、正しい情報の取得を心掛けましょう。
THCPOと関連する成分:THC・THCH・THCVとの違い
THCPOO,THC,THCH,THCVはすべてカンナビノイドの一種ですが、それぞれ異なる成分として理解しておく必要があります。
THCとは?THCの基本情報について
THCとは、正式名称がTetrahydrocannabinol(テトラヒドロカンナビノール)といい、大麻草から抽出できる天然のカンナビノイドのことを指します。
THCはCBD(カンナビジオール)と並ぶ、カンナビノイドの代表例として広く世界中で研究されています。
THCはその摂取時の副作用が危険視されており、2024年12月12日に施行された法律により、THCを含む製品が麻薬に該当する旨が公表されたため、注意が必要です。
THCHとは?THCHの基本情報について
THCHとは、正式名称がTetrahydrocannabihexol(テトラヒドロカンナビヘキソール)といい、THCを化学的に加工することによって製造される合成カンナビノイドの一種です。
THCHには強い依存性や幻覚、意識の昏倒など多くの危険な副作用が報告されています。
そのためTHCHは日本において指定薬物とされ、製品の輸入や購入、販売、所持、使用等が禁止されています。
THCVとは?THCVの基本情報について
THCVとは、正式名称がTetrahydrocannabivarin(テトラヒドロカンナビバリン)といい、大麻草から抽出される天然のカンナビノイドです。
THCVは大麻草から微量しか抽出できないため、「レアカンナビノイド」とも呼ばれています。
THCVにキマる作用(違法薬物摂取によって得られる高揚感)は無いとされていますが、指定薬物として日本国内で厳しく規制されています。
THCPOの危険性と違法性

ここまでTHCPOの効果や基本的な情報について解説してきましたが、気になるのはその精神活性作用による危険性ではないでしょうか。
カンナビノイドの多くは規制対象となっており、日本国内において厳しく取り締まりがされているのが現状です。
ではTHCPOの危険性や違法性の現状はどのようになっているのでしょうか。
指定薬物としてのTHCPOの位置づけ
THCPOは依存性や精神活性作用などによる危険性から、指定薬物として規制対象とされています。
指定薬物は製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されているため、これらの項目には絶対に注意するようにしましょう。
厚生労働省は令和6年5月1日にTHCPOを指定薬物に指定する省令を公布し、同年同月11日に施行されました。 参考資料:厚生労働省「新たに指定された指定薬物の名称」より
厚生労働省が定める指定薬物とは?
指定薬物とは、「中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物」を指します。
また、罰則としては「3年以下の懲役または300万円以下の罰金。業としての場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金」とされています。 引用: 厚生労働省「危険ドラッグの成分1物質及び3物質群を新たに指定薬物に指定」より
THCPOの危険性や副作用について
THCPOの副作用としては、強い依存性や呼吸困難、過呼吸、不安障害、幻覚、心拍数の増加などが報告されています。
健康リスクに関しては、多くの合成カンナビノイドで報告されています。
特に依存性が高いため、一度摂取をすると再度求めてしまい中々抜けられなくなってしまいます。
日常生活に関して大きな悪影響が予想されるため、摂取の機会があったとしても絶対に避けるようにしましょう。
THCやTHCPと比較した危険性
THCPOはTHCやTHCPと比較して、圧倒的に危険なカンナビノイドと言えます。
THCPOの危険性を把握する上で、THCとTHCPとの違いを把握することが一番理解が容易になります。
効果はTHCよりも強力
THCもTHCPも危険なカンナビノイドとしてその危険性が指摘されています。
ただ、強い効果を求めてTHCを化学的に加工することによってTHCPOは製造されます。
THC摂取による危険性も多く報告されていますが、THCPOの副作用や危険性はTHCよりも危険で強いと考えておきましょう。
持続時間はTHCPOが一番長い
THCPOはその持続時間の長さが特徴と言われています。
THCよりも強力な精神活性作用を持ち、THCPよりは効果はない物の、長時間にわたる悪影響が危険視されています。
一般的にその効果の持続時間は6時間から8時間と言われており、副作用が長く持続する可能性があるため摂取は避けるようにしましょう。
THCPOと他のカンナビノイドの比較
成分 | 精神作用の強さ | CB1受容体結合の強さ | 持続時間 | 合法性 |
---|---|---|---|---|
THC | 中程度 | 標準レベル | 2~4時間 | 日本で違法 |
THCP | 非常に強い | THCの約33倍 | 4~8時間 | 日本で違法 |
THCPO | 強い | 未知数(THCPに近い?) | 6~8時間 | 日本で違法 |
CBD | なし | ほぼなし | 4~6時間 | 合法 |
持続時間が長いのはTHCPO
上記の4つのカンナビノイドの中で、最も持続時間が長いとされているカンナビノイドはTHCPOです。
精神活性作用が長く続くということは、集中力の低下や判断力の低下、言語障害といった副作用が長引く可能性があることを指します。
これにより日常生活への悪影響が大きくなることが懸念されます。
摂取は絶対に避けましょう。
現時点で一番効果が強いのはTHCP
THCP(テトラヒドロカンナビフォロール)は、現在発見されているカンナビノイドの中で最も強力な作用を持つ可能性が示唆されています。
THCPはTHCと類似した化学構造を持ちますが、その作用の強さがTHCの30倍以上あることが研究で示唆されています。
THCの摂取による副作用で依存性や幻覚、意識の混濁などが指摘されている中で、以下にこの数字が危険であるかを理解していただけると思います。
CBDは精神作用は無く合法
CBD(カンナビジオール)はTHCやTHCP、THCPOとは異なり精神活性作用を持たないカンナビノイドです。
研究は多くされていますが、危険な症状は報告されておらず、代わりにリラックス効果や睡眠のサポート効果、美容効果などが報告されています。
CBDは厚生労働省や世界保健機関によって合法性や安全性が公表されている珍しいカンナビノイドであり、安心して使用することができます。
以下の記事ではCBDの安全性について、最新の法改正などの情報を交えながら解説しています。
おわりに
今回はTHCPOの効果について、THCPOの基本情報や危険性、THCやCBDといった他のカンナビノイドとの違いなどを交えながら解説してきました。
THCPOの効果としては鎮痛作用や抗炎症作用などが報告されており、優れた成分と言えます。
ただ令和6年(2024年)の5月には指定薬物として規制対象となっているため、含有する製品の所持や使用等は違法となります。
カンナビノイドの摂取を検討する際には、CBDをはじめとする合法性が認められているカンナビノイドの選択をするようにしましょう。