CBDはCannabidiol(カンナビジオール)といい、大麻草から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる成分の一種です。
近年報告されている優れた効果から使用する人が増えてきており、年々注目度も高まってきています。
ただ大麻草と聞くと不安な方もいるのではないでしょうか。
本記事では、CBDの利用に少しでも不安に思っている方に向けて、CBDの副作用や効果について、最新の法改正の情報を交えて解説していきます。
CBDは本当にやめたほうがいいのか?

CBDは大麻草由来の成分のため、正しい情報を身につけた上で適切な判断をすることが重要になります。
CBDの副作用や、安全性について、分かりやすく解説していきます。
CBDの副作用について
CBDに重篤な副作用は確認されていません。THCやTHCHといった日本国内で違法とされているカンナビノイドは、その危険な副作用(強い依存性や幻覚など)から違法成分とされています。
しかしCBD摂取時には重篤な副作用は確認されておらず、食欲不振や下痢といった軽度の副作用に留まります。
またそれらの軽度な副作用が引き起こされるケースは、体がCBDに慣れていない段階に過剰摂取してしまった場合に限られます。
そのため、各製品の摂取目安量を守ることで、それらの軽度な副作用は未然に防ぐことができます。
CBDにキマる作用はありません
一般的に違法成分を摂取した時に引き起こされる「キマる」という作用ですが、CBDにキマる作用はありません。
「キマる」とは、違法薬物などを使用して思考能力や判断力が著しく低下している状態のことを指します。
CBDには他のカンナビノイドに確認されている精神活性作用が確認されていないため、キマる作用が無く安全に利用することができます。
CBDに対する世界保健機関(WHO)の見解
CBDは世界保健機関(WHO)によってその安全性が報告されています。
世界保健機関の調査書によるとCBDは「良好な安全なプロフィールをもち、一般的に良好な忍容性(許容性)がある」とされています。
※忍容性があるということは、摂取しても普段通り生活できる(=日常生活に悪影響が無い)ということを表しています。
またカンナビノイドの使用において危険視されている乱用に関しても、「十分にコントロールされたヒトの実験的研究からのエビデンスは CBD が乱用可能性と関連しないことを示している」としています。
引用:世界保健機関(WHO)「カンナビジオール(CBD) 事前審査報告書 P14」より
CBDは日本国内において合法です
CBDは2025年1月時点において、日本国内で合法となっており、安全に利用することが可能です。
2024年12月12日に施行された法律によると、厚生労働省はCBD関連製品中に製品の形状に応じてΔ9-THCの残留限度値を設けました。
Δ9-THCの含有量が残留限度値を超えて検出された製品は麻薬として取り扱われるため、その残留限度値を超えない製品に関しては合法性が認められています。
参考:厚生労働省「CBDオイル等のCBD関連製品の輸入について」より
カンナビノイド製品の購入時には、残留しているΔ9-THCの値をしっかりと確認するようにしましょう。
法律施行に伴うCBDの規制内容
2024年12月12日に施行された法律によって今まで部位規制だったCBD製品の規制が、成分規制へと変更されました。

画像引用:厚生労働省『令和6年12月12日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます』より
施行前は成熟した茎や種子のみ以外から抽出されたCBDは違法とされていましたが、2024年12月12日に施行された法律によって、その規制対象が抽出部位から含有成分へと変化しました。
新たにTHCに残留濃度に関して厳しい限度値が設けられたため、より一層製品に残留しているTHCの量には注意が必要になります。
2024年12月12日に施行された法律の詳細に関して、もう少し詳しく解説していきます。
CBD製品に関する注意点

2024年12月12日に法改正がありました。
2024年12月12日に大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律の一部が施行されました。
今回施行された法律の目的は以下の2つが考えられます。
- カンナビノイドの合法的な利用拡大
- 違法使用の抑制
カンナビノイドの合法的な利用拡大
それまでの現状と課題
従来、大麻に関しては医療上における有効性が無いと考えられていましたが、近年、大麻草から製造された医薬品が欧米諸国において承認され、国際的に大麻の医療上の有用性が認められてきています。
また法律によって大麻草から製造された医薬品の施用等が禁止されているため、薬事承認をされても、医療現場において活用することができないのが課題としてありました。
改正の内容
国際的に有用性が認められてきている点や、医療ニーズに対応する観点から、大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とするために、大麻から製造された医薬品の施用、交付、受施用の禁止規定が削除されました。
違法使用の抑制
それまでの現状と課題
薬事犯の検挙人員のうち、大麻事犯の検挙人員は令和3年まで8年連続で増加しており、令和4年時点も高水準で推移しています。
大麻はその使用について罰則が設けられていない点や、大麻に使用罪が無いことが使用に対するハードルを下げているという調査結果もあります。
また、現行法でCBD製品に微量に残留する△9ーTHCの規制が明確ではないといった課題も挙げられます。
改正の内容
大麻等を麻薬として位置づけ、その不正な施用についても他の規制薬物と同じように施用罪を適用し、7年以下の懲役刑とすることになりました。※大麻等の不正な所持・譲渡・輸入等も7年以下の懲役に該当します。
加えて今回の法改正により、△9ーTHCの残留限度値が設けられて規制が明確になりました。
基準値を超える量の△9ーTHCを含有する製品に関しては、たとえそれがCBD製品であったとしても「麻薬」に該当することになります。
以下の記事では、法改正に伴う詳しい変更点の詳細を分かりやすく解説しています。
違法成分「THC」の利用には一層注意が必要
今回の法改正によって、より一層CBD製品に含まれるTHCの量についての注意が必要になります。
今までは大麻の使用に関して禁止規定及び罰則が設けられていませんでしたが、その不正な施用に関して施用罪が適用され、7年以下の懲役刑が適用されます。
CBDをはじめとする合法のカンナビノイド製品を購入する際には、今まで以上にTHCの含有量に関して注意するようにしてください。
製品を購入するときのチェックポイント

THCに関する規制が厳しくなったため、カンナビノイド製品を購入する際は、個人でより一層確認をして正しい判断をする必要があります。
今回は製品を購入する際のチェックポイントについて解説します。
CoA(分析証明書)を確認する
まず一番わかりやすい方法として、CoAを確認するという方法が挙げられます。
CoAとはCertificate of Analysisを略したもので、日本語では分析証明書を意味し、以下のような書類のことを指します。

この証明書は製品に含まれる成分の濃度を示すもので、CBDやTHC、THCAといった成分がどれだけ含有されているかを表しています。
これを公開しており、かつ赤枠で囲っている部分がND(=検出されず)となっていれば、製品に△9ーTHCなどが含まれていないことを表します。
CoAは、メーカーが安全に製品を製造していることを証明するために欠かせない書類です。
個人売買をしている製品は購入を避ける
個人が販売しているカンナビノイド製品は、適切な検査や管理が行われていない可能性があります。
フリマアプリやSNSを利用して、個人的にカンナビノイド製品を販売している場合は、購入をしないことをおすすめします。
多少値段が高くても、安全に利用することが第一です。
値段や甘い言葉に流されず、正しい情報を集めてしっかりと信頼できるメーカーや業者からの購入を絶対に意識しましょう。
報告されているCBDの効果とは?

CBDは、カンナビノイドの中でトップクラスに世界中で研究が行われている成分になります。
世界中で研究が多数行われているため、報告されている効果も多岐にわたります。
今回はその中でも代表的な効果を、4つ紹介します。
リラックス効果
CBDを摂取することで、リラックス効果が得られることが様々な研究によって分かっています。
現代はストレスを感じる場面が多くあります。
人は「交感神経」と「副交感神経」がバランスよく優位になることで、緊張状態とリラックス状態を交互に入れ替えています。
しかしストレスを持続的に感じすぎると交感神経が優位になり過ぎてしまい、ストレスが溜まる原因となります。
CBDには副交感神経を優位にする働きが報告されており、リラックスに寄与することが期待されています。
睡眠に関する悩みの軽減
CBDは睡眠に関する悩みの軽減効果も大きく期待されています。
- ベットに入っても中々眠ることができない
- 夜中によく起きてしまう
- 想定よりも早く起きてしまう
- しっかり寝たはずなのに疲れがとれていない
このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
CBDは睡眠に関する悩みの軽減効果が報告されており、就寝前に摂取することで睡眠の質が向上したとされる研究結果も報告されています。
美容効果
CBDには多数の美容効果も報告されています。
その主な要因は、優れた抗酸化作用です。
人は生活する上で細胞が酸化し、それが健康上の問題やしみ・しわといった肌のトラブルに繋がります。
CBDにはビタミンCやビタミンEよりも優れた抗酸化作用があると報告されており、美しくありたい女性の強力な味方と言えます。
皮膚の炎症にも効果が確認されています
CBDは摂取することによって、体内から皮膚の炎症に対して効果的なアプローチをすることも報告されています。
日本化粧品協会によると、「アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、ニキビ、脂漏性皮膚炎、湿疹、乾癬、皮膚がん、水疱症、火傷、傷跡、赤み、かゆみ、痛みの軽減」が期待されているとされています。
引用:日本化粧品教会「CBDとは」より
抗不安作用
また、CBDには人が感じる不安を軽減する効果があることも報告されています。
この作用はリラックス効果に付随する部分もありますが、CBDは脳内のセロトニン受容体に働きかけ、セロトニンの働きを助けます。
セロトニンは幸せホルモンの一種とされ、心身のバランスを整え、ストレスや不安を和らげる作用が期待されています。
下の記事ではより詳しく、世界中で報告されているCBDの効果について解説しています。
CBDに関するよくある質問

CBDは違法ですか?
CBDは日本国内において違法ではありません。
2024年12月12日に新たに施行された法律によっても、CBDを違法とする旨の改正は確認されず、安心して利用することができます。
ただ違法成分であるTHCに関する規制は厳しくなったため、より一層含有されている成分に注意が必要です。
CBDに中毒性はありますか?
CBDに精神活性作用や中毒性はありません。
THCやTHCHといった違法成分は精神活性作用や中毒性が危険視され、違法成分として規制されています。
しかしCBDにそういった重篤な副作用は確認されておらず、安心して利用することができます。
CBDを利用することによって幸福感を得られますか?
CBDを摂取することによって幸福感(多幸感)を得られることはありません。
CBDはリラックス効果や睡眠の悩み改善効果が期待されていますが、大麻を摂取した時に引き起こされる「幸福感(多幸感)」を感じることはありません。
CBDを適切に利用することで、日々の生活の満足度向上が期待できます。
さいごに
今回の記事では、CBDの安全性や製品購入時の注意点、報告されている効果などを、最新の情報を交えて解説してきました。
CBDの危険性は極めて低く、重篤な副作用も報告されていません。
しかし2024年12月に施行された法律によって、違法成分であるTHCの規制がより厳しくなったため、製品に含有されている成分の内訳には注意が必要です。
今回紹介したチェックポイントを確認しながら、適切な判断を意識し、日々の生活の満足度を向上させていきましょう。